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クリエイターズ・チョイス59:金魚の不思議さを描く美術作家 深堀隆介

透明な樹脂に金魚を封じ込めて描き、世界で大人気の美術作家。

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就職氷河期に経験した下積み時代から、世界的な人気を誇る作家に。

 以後、深堀さんは金魚の絵を描き続け、2002年に樹脂を使った技法を編み出し、現在に至っている。近年では樹脂の層は幾重にも重なり、水草なども描き加えられて、より立体的な描き方になってきている。フェアに出せば飛ぶように売れ、アトリエは制作中の金魚でいっぱいだ。とはいえそんな深堀さんも、最初から順風満帆だったわけではない。

 「もともと愛知県立芸術大学のデザイン専攻学科を出たんですが、学校を卒業したのが1995年。就職氷河期と言われた時期で、それまで卒業生は大抵大手クルマメーカーに就職できていたのが、その年に限ってゼロだった。それで開き直って、自分は就職活動せずに、フリーランスになったんです」

 卒業後に就いた仕事は、FRPで立体看板やセットを作る、いわゆる「造形屋」という職業。ディズニーランドの偽岩とか、百貨店のディスプレイなどを作る仕事だ。昼間はそうした特殊造形の制作に関わる一方、夜は現場での設営作業をこなした。重いものを持ち上げたり、有害な化学素材を扱ったりするのが必須の過酷な仕事だが、暇になるのが恐ろしく、ひたすら仕事を入れ続けた。しかし、この時の経験こそが、後の樹脂作品を生みだす礎となった。

 「最終的にフリーのキツさに音を上げて、取引先だった名古屋のディスプレイ会社に就職したんです。すると毎月ちゃんと給料が入るし、残業が多いから結構な高収入になったんです。そして金銭的に余裕がでてきたので、毎週のように東京の画廊巡りをするようになった。いろんな作品をみているうちに、そこで自分は何がしたかったのかと思い始めたんですね。子どもの頃からアーティストになろうと思って、大量の紙が全部なくなるまで絵を描き続けたりしたのは、一体何のためだったんだろうと」

 2年ほどで会社を辞め、制作一本に仕事を絞った。貸しギャラリーから始めた個展も、やがて名古屋の著名な商業ギャラリー「IDF」がメインに。ここ数年は海外での個展やアートフェア出品の話が引きもきらず、逆に国内での展示が少なくなってしまったのが悩みのタネだ。

 「来年は西武で国内の展示が決まっているんですが、貧乏性なのか、もっと国内でもやった方が良いのかな、なんて考えてしまう。フリーランス時代についたクセかもしれませんね(笑)」

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Text : 樋口ヒロユキ

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プロフィール

金魚の不思議さを描く美術作家

深堀隆介 ( Fukahori Riusuke )

1973年、愛知県生まれ。1995年、愛知県立芸術大学美術学部デザイン専攻学科卒。卒業後はフリーランスを経たのちディスプレイ会社に勤務。1999年に退職後、制作活動開始。2000年、スランプ時に金魚の魅力に開眼。2002年、器の中に樹脂を流し込み、その上に直接金魚を描く技法を編み出し、作品を発表。2005年以降、個展開催多数。2008年以降は中国、台湾、ドイツ、ベルギーなどで個展、フェア参加多数。浜田市世界こども美術館、江戸川アートミュージアム(EKAM)などに作品収蔵。第9回岡本太郎現代芸術大賞展2006入選ほか受賞歴多数。

公式サイト

作品

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クリエイターズ・チョイス

丁寧な仕立てに魅せられて クリエイターズ・チョイス59:シルク製の金魚柄アロハ。