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クリエイター・ファイル50:「20世紀とアートを語る」日本を代表する美術作家:森村泰昌

関西では13年ぶりの展覧会開催中、世界のモリムラ、20世紀とアートを語る

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20世紀の報道写真に題材を採った展覧会、「なにものかへのレクイエム」。

 森村泰昌さんといえば、ゴッホの自画像をはじめとする名画の中の人物に扮したセルフポートレイト写真の「美術史シリーズ」や、映画女優に扮した「女優シリーズ」などの作品で、世界的に有名な美術作家だ。そんな森村さんの最新の展覧会「森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」は、20世紀の報道写真がテーマ。三島由紀夫、レーニン、毛沢東、ゲバラ、チャプリン、アインシュタイン、手塚治虫など、20世紀を代表する錚々たる面々に、森村さんが扮する展覧会である。

 「美術の中に入りたい、美術史に近づいていきたいという思いから『美術史シリーズ』を始めて、17世紀、18世紀と次々に画家を取り上げてきたんですが、あるとき20世紀をテーマにしてないなと気づいた。それまでの時代の美術は絵画が中心でしたが、20世紀には絵画以外に『映画』というメディアが登場して、美術史の重要な位置を占めるようになった。そこで取り組んだのが『女優シリーズ』でした。けれども、もう一つ『写真』もまた、20世紀に華開いたメディアです。なかでも報道写真には、時代を動かす力があった。そこで戦争や政治、革命の写真を手がかりに、このシリーズに入って行ったんです」

 このシリーズの最初の作品は、ベトナム戦争をテーマにした《なにものかへのレクイエム(VIETNAM WAR 1968-1991)》だ。題材となった作品は、エディ・アダムスが撮った報道写真《サイゴンでの処刑》。ベトナム戦争時に米兵が行った、裁判抜きの処刑のようすを撮ったものである。だが森村さんの作品では、背景は大阪の御堂筋。処刑する側もされる側も、どちらも森村さん自身が演じる。

 「この作品が生まれたのは1991年のこと。初めてNYで個展を開催したときでした。『美術史シリーズ』を中心にした展覧会でしたが、ちょうど湾岸戦争が起こって不景気になり、NYのギャラリーがバタバタ潰れていた。それで身近な現代史を題材に採った、シリアスな作品を加えたくなって、モノクロのこの作品を作ったんですね。そのときはそれほど積極的ではなく、独立した作品になったんですが、いつか続きをやりたいなと思っていた。それが結実したのが今回の展覧会なんです」

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プロフィール

日本を代表する美術作家

森村泰昌(Morimura Yasumasa)

1951年大阪生まれ。京都市立芸術大学美術学部卒業。1985年、ゴッホの自画像に扮したセルフポートレイト写真を発表。1988年、ベネチア・ビエンナーレ/アペルト部門に選ばれ、以降、海外での個展多数、国際展にも多数出品。古今東西の絵画の登場人物になる「美術史シリーズ」、映画女優に扮する「女優シリーズ」などを手がける。2010年より「森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」が全国巡回。2011年1月18日より兵庫県立美術館にて「『その他』のチカラ。―森村泰昌の小宇宙―」とともに開催中。

公式サイト

作品

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写真提供:ShugoArts、兵庫県立美術館