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クリエイター・ファイル46:“カナダ在住、グローバルに行動する美術作家”永本冬森

カナダ在住の美術作家、永本冬森。オノ・ヨーコも認めたその行動力。

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大阪での初個展「Bittersweet Hotel」は、ドローイングと詩の交差する展覧会。

2010年8月、大阪・心斎橋のアートスペース「CERO」で、とあるアーティストの展覧会が開かれた。アーティストの名は、永本冬森(ながもと・ともり)さん。日本国内では「知る人ぞ知る」だが、カナダはトロントを拠点にしながら、ニューヨークや中国などで国際的に活動を続ける美術作家だ。

会場にはボールペンで描かれたドローイング。五人の女性を描いたものが、それぞれ幾枚かずつ掲げられている。その舞台は「ビタースウィート・ホテル」、誰の心の中にもある架空のホテルだ。各々の女性にはそれぞれ部屋番号が記されていて、一階から五階まで各一人ずつ、都合五名の女性が描かれている。そしてこうした肖像の間に、簡素な詩が記される。

「この展覧会『Bittersweet Hotel』は、トロントでスタートしたものの巡回展。会期中にはポエトリー・リーディング、つまり詩の朗読会も行っています。会場ではこうした詩をまとめた、chapbookというパンフレットを販売しているのですが、これを日本で出版できないかというオファーがあった。それで日本でも活動を始めたいと思い、まずは大阪でジャブを打ってみようと、この展覧会を巡回させたんですね」

ボールペンのドローイングと詩の組み合わせは、世界中に散らばる小さな部屋で、心の声をつぶやく女性たちの姿を思わせる。それは特定の誰かと共有される言葉というわけでもなく、まったく内心の言葉でもない、ネット上のtweetのような言葉たちだ。それにしても、なぜいま詩なのだろうか?

「ニューヨークではポエトリー・リーディングがジャンルとして定着していて、そこでは会場の誰もがマイクを手に取っていいんです。だから詩人だけでなく、美術作家や俳優、ミュージシャンなど、いろんなジャンルのアーティストが集まってマイクを握る。そこで読まれた詩が良ければ、観客はアーティストの持って回るビンに小銭を入れたり、chapbookを買ったりするんですね。つまり投げ銭制の詩のライブで、これが異文化交流の場にもアーティストの売り込みの場にもなっている。まったく同じものはできないだろうけど、そうした異文化がクロスする場所を、日本でも作ってみたかったんです」

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プロフィール

美術作家

永本冬森(ながもと・ともり)

1973年北海道生まれ。1999年、カナダを拠点に「tomolennon」名義で活動開始。2002〜2003年、トロントの二大情報誌『NOW』、『EYEマガジン』で「年間最優秀アーティスト賞」受賞。2007年、Japanese Canadian Cultural Centreにて個展。2008年10月より「永本冬森」名義に。絵画、詩、写真、パフォーマンスのほか、各種展覧会のオーガナイズやチャリティー活動など、ジャンルを超えた活動を展開。現在はカナダを拠点に、ニューヨークなど多数の都市で活動している。

公式サイト

作品

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クリエイターズ・チョイス

言葉とアイデアとスケッチを記す クリエイターズ・チョイス46:「モールスキンの三色のノート」美術作家:永本冬森