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クリエイターズ・チョイス41:“手作りの暖かさとコアな熱さを持つ自転車ブランド”E.B.S

KUWAHARA 在籍時のフレームと、多種多彩な工具箱。

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肉厚わずか0.4ミリのパイプを、正確に芯出しして繋いだフレーム。

佐々木さんが大切にしているのは、KUWAHARAに在籍していた頃のフレーム。当時の技術をすべて注ぎ込んだもので、手に取るだけで当時の記憶が蘇るのか、眼の輝きが一段と増す。パイプの肉厚は一番薄い部分だとわずか0.4ミリ、とうてい鉄製だとは思えず、まるでアルミのように軽い。

佐々木●「自転車のフレームは『ロウ付け』といって、パイプを溶接して作りますが、ロウ付けでは熱を加える。だからパイプが薄いとどうしても歪んで、シワが入ったり割れたりしやすくなるんですね。また、熱でフレーム全体が歪んで、芯が出にくくなるのも難点なんです」

芯を出す、というのはフレーム全体の中心を、真っすぐ一直線に揃えることだ。それだけ聞くと簡単に思えるが、鉄のパイプに熱をかけながら芯を出すのは、実は大変な難行なのだ。しかも、この溶接という工程、天賦の才がモノを言う分野だそうで、できる人は数年でマスターするが、できない人は何年やっても無理なのだという。芯が少しでもズレていると、スピードが落ちる原因になる。競技用のフレームとしては致命的で、ここが生命線になるといっても過言ではないのだ。

佐々木●「海外でOEM生産された自転車なんかを見ていると、この芯出しができていないのが結構多い。同じタイミングで出荷した自転車が、同じ方向に全部曲がっていたりするんです」

ゆっくり何度も作業すれば、芯出しの精度は高まるが、あまり幾度もバーナーを当てると、パイプが熱でやわらかくなり、全体の歪みを引き起こす。わずか0.4ミリの肉厚のパイプを、正確に芯出しして溶接するのは、実は至難の業なのである。

佐々木●「もちろん今の方が技術は上がっていますが、この頃は仕事中も自転車づくり、昼休みも自転車づくりの毎日。このフレームを見ていると、当時の思い出が蘇ってきます。実は自転車メーカーというのは、おカネより自転車が好きでしょうがなくて入ったという人が多い。なかには、とんでもなく良い大学を出て入ってくる人もいます。その頃のことを思い出してくるんですよ」

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プロフィール

自転車ブランド

E.B.S(Engineered Bike Service)

長年、自転車業界に関わってきた小林宏治が中心となり、メインビルダーの佐々木隆二とともに、2008年に立ち上げた自転車ブランド。のち、設計と部品加工の山本工(たくみ)が加わり、現在3人体制。巨大な荷台をつけたワークバイクや、クロスド・シート・ステイを採用したミニベロなど、個性的なデザインと確かな技術で注目を浴びる。「velo style Ticket」(東京)、「velo life-UNPEU(アンプ)」(大阪)の二店舗を直営ショップとして展開。2009年には水都大阪でgrafとのコラボを行うなど、異業種との協業にも積極的。

公式サイト

velo life UNPEU

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