ページの先頭です

クリエイター・ファイル38:“フォトグラムで少女の星座を描く美術作家”三宅砂織

フォトグラムで星座のような少女像を描き、いま注目を集める若手美術作家。

1 / 2 / 3 / 4

TOP / インタビュー / バックナンバー / CREATOR FILE / 三宅砂織

  • Yahoo!ブックマークに登録

全点完売、VOCA賞受賞。フォトグラムの技法で注目の作家。

先ごろ三宅砂織さんが受賞したVOCA賞は、これまで村上隆さんや、やなぎみわさん、蜷川実花さんらを輩出した、新人平面作家の登竜門だ。全国の学芸員、ジャーナリスト、研究者などが推薦する若手作家が出品した新作のなかから受賞作を決めるという方式で、受賞者を含むノミネート作家の作品は、上野の森美術館での「VOCA展」で展示される。

「賞を頂いたばかりなので、それほど変化が起こったようには感じないんですけれども、これから変化があるんでしょうか」

本人はそう謙遜するが、受賞する以前から、ブレークの兆しは見えていた。昨年4月には「アートフェア東京2009」という催しに、三宅さんは個展形式で出品を行い、見事全点を完売したのである。海外13都市を含む143のギャラリーが一同に会し、4万人以上の観客を集客するイベントでの快挙。三宅さんの作品の何が、そこまで人を引きつけたのだろう。

「私のやっているフォトグラムは、カメラを介さずに直接印画紙にモノを置いて感光させる技法。昔から存在していた技法で、アートではマン・レイモホリ=ナギの作品が有名です。私の場合は印画紙にモノを置くだけでなく、手描きのフィルムも一緒に焼き付けます。瑛九という作家の『フォトデッサン』に近い手法だと思います」

透明なフィルムにドローイングを施して、これを印画紙に焼き付ける。フィルムは何枚かをレイヤー状に重ねて焼き付けるが、そのとき全面を密着させずに、部分的にフィルムを浮かせる。すると、その部分がピンボケになって、ぼんやり滲んだ画像になる。

また、フィルムとともにスパンコールやガラスのオモチャ、レースなどのオブジェも同時に重ね、フィルムと一緒に焼き付ける。オブジェは光の反射や屈折、透過を生み、独特のキラキラ感を画面に与える。複数のフィルムのレイヤーから来るピンボケと、煌めくオブジェの光がもたらす、通常の遠近法とは違った奥行き感は、ドットの輝きで描かれた少女を、夜空の星座のように見せる。その独特の儚げな、少女と星座のイメージに、多くの人が魅せられるのだ。

1 / 2 / 3 / 4

プロフィール

美術作家

三宅砂織(みやけ・さおり)

1975年、岐阜県生まれ。京都市立芸術大学卒業後、英国Royal College of art交換留学。2000年、京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画(版画)専攻修了。2003年ごろより、透明なフィルムにドローイングを描き、印画紙に焼き付けてプリントする「フォトグラム」による作品制作を開始。2008年以降は韓国やスイスなど海外でのグループ展にも活発に参加。2010年3月14日〜3月30日、上野の森美術館で開催される「VOCA展2010」の出品作家として選出され「VOCA賞」を受賞。今後の活動に注目が集まっている。

公式サイト

複眼ギャラリー

作品

※クリックすると大きな画像をご覧いただけます。

  • 作品1
  • 作品2
  • 作品3
  • 作品4
  • 作品5
  • 作品6
  • 作品7
  • 作品8
  • 作品9