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クリエイター・ファイル29:“波瀾万丈のダンス劇場ディレクター”大谷燠

最先端のダンスの劇場、「Art Theater dB 神戸」オープン。

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身体による現代美術、コンテンポラリー・ダンスの劇場。

アートとしての同時代の踊り=コンテンポラリー・ダンスは、いわば「体を使った現代美術」だ。だが、このコンテンポラリー・ダンスが、いま熱い。ダンス・イベント「吾妻橋ダンスクロッシング」は、毎回満員御礼状態が続く。全国縦断型のダンス・イベント「踊りに行くぜ!!」は10年目を迎え、昨年度はなんと全国21カ所もの都市で開催された。

そして今年4月、神戸に新しいダンス専門の劇場がオープンする。大谷 燠(おおたに・いく)さんがプロデュースする「Art Theater dB 神戸」である。キャパは椅子席で122席、ダンスを企画の中心に置いたホールとしては関西最大。内装は大阪の劇団、維新派関係の人が担当した。

「ここにオープンさせたのは、神戸市からの熱心なラブコールがあったから。神戸市も財政的には決して潤沢ではないようですが、そんななかでも将来的な都市の活性化のために、美術の国際展『神戸ビエンナーレ』を立ち上げるなど、文化を切り口にした前向きな施策を打っている。文化への予算支出は将来のための『投資』だという、そんな感覚があるんですね」

オープンは2009年4月29日。場所は「新長田」(JR、地下鉄西神・山手線、海岸線)から徒歩6分、「駒ケ林」(地下鉄海岸線)駅から5分。商店街の中にあり、雨が降っても濡れずに行ける。お披露目の企画はシンポジウム。アサヒビール芸術文化財団事務局長の加藤種男さんや、北九州芸術劇場館長の津村卓さんをはじめ、アート界の錚々たる面々をパネリストに迎え、鳥取にある「鳥の劇場」主催、中島諒人さんからは、ビデオレターも寄せられた。

この日のテーマは「地域にとってアートの果たす役割とは〜劇場を中心に〜」。神戸市長田区という多様性に富んだ地域の特性と、地域における劇場のあり方について、それぞれの立場から熱い議論が展開された。また、午後6時からのパーティでは、ご祝儀のダンスなども披露され、大きな盛り上がりを見せた。このほか既に4種類のワークショップ(講習会)も開催され、この5月には都合6組のダンサーが公演を行う

「神戸は震災で一度この場所を離れ、離散を経験した人が多い。だから逆に地域活性化のために『何かやらなくては』と、そういう思いが強いんですね。この劇場にも関心が強くて、近所に買い出しに行っても『お茶飲んで行け』とか『呑みに行こうか』とか、皆さん興味津々です (笑)」

そんな声をかけてもらうたびに、地域の期待の大きさを感じる、という大谷さん。神戸市生まれの劇作家、菱田信也さん演出による市民劇団「ヴィンテージ」も創設する予定。神戸の一般市民とともに、地域密着、地域連携で、ダンス文化、劇場文化を創出しようという狙いである。

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プロフィール

ダンス劇場ディレクター

大谷燠(おおたに・いく)

1952年、大阪府生まれ。NPO法人DANCE BOX代表。大学在学中に土方巽(ひじかた・たつみ)の舞踏と出会い、土方の弟子であるビショップ山田率いる「北方舞踏派」の創立に参加。ソロ活動を経て、TORII HALLプロデューサー就任。同ホール退職後、NPO法人DANCE BOXを設立、ダンス専門劇場「Art Theater dB」を開設。同ホール閉鎖に伴い、2009年「Art Theater dB 神戸」オープン。紅玉としてダンス・グループ「千日前青空ダンス倶楽部」の振付・演出を務める。

作品

※クリックすると大きな画像をご覧いただけます。

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  • 作品4
  • 作品5
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  • 作品8
  • 作品9