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クリエイターズ・チョイス28:“湖国の謎を撮るフォトグラファー”MOTOKO

ふだん使いはベッサフレックス、仕事はローライフレックス。

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「私がカメラに興味を持ったのは、見えないものが写ることに気づいたから」

MOTOKOさんが最近愛用しているのは、ベッサフレックスTM。2003年発売の、機械式35ミリ一眼レフカメラである。価格は数万円程度、ふだん使いのカメラとして使っている。パリの人が使ってたんじゃないか、と思わせるようなイメージが気に入って購入した。重量520gと、比較的軽いのも良い。

「日常的にカメラを担ぐのが重いんですよね。街を歩いてて小ちゃいカバンの女の子を見ると、それがうらやましくて。私はもともと、機械としてのカメラには、それほど興味はないんですよ。カメラの形が好き、触るのが好きという方は多いけど、私にはよくわからない。上がってきた一枚がどんな写真になるかの方が、私にとっては重要なんです」

もともとカメラに限らず、モノ自体にほとんど興味がない。時計やアクセサリーもほとんど身につけないというから徹底している。むしろ旧型のカメラを使うのが好きで、現行型のカメラを買うのはこれが初めて。古いカメラの方が人間を美しく撮ることができる、という。仕事で使うのはローライフレックス。レンズも機械で磨いたものでなく、人間が手で磨いたレンズの方が良いのだという。新しいカメラだと余計なものが写ってしまい、肝心なものは写らないからだそうだ。

「私が写真に興味を持ったのは、自分の見ている世の中と、本物の世の中とが違うことに、写真を通じて気がついたから。シャッターを切れば写真は写るけど、それは本物の世の中とはズレていて、なんらかの事件がフィルムの上で起こる。現実には見えないものが写ることを知ったんです」

ただし、銀塩フィルムに教条的なこだわりがあるわけではない。現行のデジタルではどうしてもプリント時に若干の色味の問題が出るが、モニタで見る場合ならデジタルでも構わないし、将来的にクオリティーが改善されれば、デジタルに移行することも考えているという。

おそらくMOTOKOさんにとってカメラとは、人や時代と出会うための道具なのだろう。シャッターを切ることで出会いが起こり、事件が起こる。その記録を彼女は写真と呼ぶのだ。

Text : Hiroyuki Higuchi

プロフィール

フォトグラファー

MOTOKO(もとこ)

1966年、大阪府生まれ。1990年、大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。1992から3年間渡英。帰国1年後、プロフォトグラファーとしてデビュー。『STUDIO VOICE』誌の表紙を飾る。その後、東京に拠点を移し、グラビアアイドルやミュージシャンの撮影を数多く手がけるほか、フジテレビドラマ「白い巨塔」ではエンディングも担当した。写真集に『Day Light』『First Time』『京都 The Old and New Guide of Kyoto』など。

作品

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クリエイター・ファイル

中世の芸能を幻視し、現代の農を直視する。 クリエイター・ファイル28“湖国の謎を撮るフォトグラファー”MOTOKO