ページの先頭です

クリエーター・ファイル21“未知の音、未知の自分に心躍るギタリスト”内橋和久

可能性が無限にある面白さ!世界に7器しかない珍楽器、ダクソフォンで音を創る

 1 / 2 

トップページ / CREATOR'S CHOICE / ダクソフォン

大事なのは表現に幅があること。いくらでも音はつくれる。

DAXOPHONE:ダクソフォン、内橋さんはこの珍しい楽器の、日本で唯一の演奏者だ。「ダクソフォンを創ったドイツ人のハンス・ライヒェルさんが1991年に来日されたときに、一緒にやらないかっていってくれて、それで引き受けたのが最初なんです」以来、とても仲良しなのだそうだ。この取材の2週間前も、彼と一緒に演奏していたという。ハンス・ライヒェルさんは、ドイツではたいへんポピュラーなフォントデザイナーという顔も持っている。彼のHPは非常にユニークなので、一度は訪れてほしい。

ダクソフォンの組み立てには5分もかからないが、見た目はとても風変わりである。三脚の上に、鉋(かんな)のような木製のかたまりが乗っている。これが音を拾う。その上に、木製のヘラのようなスティックを固定し、弓などで弾く。スティックは、木の種類もさまざまで、形もすべて違う。木の種類が違えば、音も違うのだそうだ。固定する必要があるので、平たく細長いのは一貫しているのだが、ひとつとして同じ形のものはなく、オブジェのようにも見える。左手は、ダックスと呼ばれる木製の黒板消しみたいな形状のものを持ち、このダックスでスティックを押さえながら弓で擦ることで音が出る。もちろん弓でなくても、素手ではじいたり、別のもので音を出す方法も考えられる。弓をあてる場所やダックスで押さえる位置、角度も自由なのだ。

ちなみに、ダクソフォンのDAXは、ドイツ語で「アナグマ」を意味するDachs からきているそうだ。ライヒェルさんが、アナグマの鳴き声の多彩さに驚き、この楽器の名前に用いたといわれている。聴かせていただくと、音がさまざまに変わり驚いた。1本のスティックから出る音なのに、動物の鳴き声だったり、人の叫び声だったり、ドアのきしむ音、小石が水中を転がる音、木の葉のさざめく音、いったい何種類の音がつくれるのだろう。「使い方が限定されちゃうと、つまんないでしょ」確かに、次にどんな音が出てくるのか想像もつかない。

「この楽器はすばらしいと思う。変わっていて珍しい楽器はよくあるけど、実際、楽器といえるところまでいってないものが多い。でもこれは楽器としてかなりクオリティが高いし、やってみたいなって思った。表現の幅が広いんです。これひとつで、なんでもできちゃう」そのすべての音を追究するのは、無限に近い時間がかかるだろう。可能性を秘めた楽器。内橋さん好みである。

 1 / 2 

プロフィール

ギタリスト:内橋和久(うちはし・かずひさ)

ギタリスト・ダクソフォン奏者・編曲者。1959年大阪生まれ。12歳でギターを手にする。フォーク、ロックのバンド活動を開始。大阪外国語大学在学中にライブハウスやスタジオで音楽活動を続ける。1983年ごろから、即興演奏を中心とした音楽活動に取り組む。1995年より、神戸のライブハウスビッグアップルにて、NEW MUSIC ACTION(即興演奏のワークショップ)を毎月開催。即興音楽の普及と若手の育成に力を注ぐ。1996年よりニューミュージックフェスティバル「フェスティバルビヨンドイノセンス」を毎年開催。2002年にはNPOビヨンドイノセンス設立。大阪の西成にライブスペース「Bridge」を2007年まで運営。プロデューサーとしての活躍も目立つ。劇団「維新派」の音楽監督、高橋悠治や鈴木昭男との共演などコンテンポラリーシーンから、UA、おおかた静流、くるりなど多くのミュージシャンへの楽曲提供やプロデュース、共演など活動は多岐にわたる。2005年よりウィーン在住。

作品

※クリックすると大きな画像をご覧いただけます。

  • 作品1
  • 作品2
  • 作品3
  • 作品4
  • 作品5
  • 作品6
  • 作品7
  • 作品8
  • 作品9

クリエーター・ファイル

未知の音を追いかけ続けるギタリスト クリエーター・ファイル21“未知の音、未知の自分に心躍るギタリスト”内橋和久