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クリエーターズ・チョイス18“心と命で生ける華道家”片桐功敦

知人に貰ったアクセサリーと種の数珠

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花の命の重みを伝えるシルバーの数珠のようなアクセサリー。

主水書房は片桐さんの生家をリノベーションした、レトロモダンな空間だ。いっけん和風の佇まいでいながら、玄関先にはプラトン立体のような星形のランプが下がり、和室の座卓には巨大な岩盤が使われる。天井と床を取り払って、西洋風のダイニング・キッチンにした一室があると思えば、廊下に置かれたテーブルには、古墳時代の銅鼓(どうこ)が使われている。本来の用途とズレた道具の遊び方は、まさに現代の数寄屋造りといっていいかもしれない。

そんな、こだわりだらけの家に住みながら、アクセサリーをつける趣味はない。もともとモノにはそれほど執着がなく、肌身離さず何かを持つのが苦手だという。そんな片桐さんが例外的に身につけているのが、左手につけた数珠のようなアクセサリーだ。シルバーの無垢でできた、普段使いには重すぎるほど、ゴツいアクセサリーである。7年前に知人からもらい、以来ずっと身につけている。どうしてそんなに重いものを? と尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。

「これをくれた友人が言うんです。ふつうの数珠でも良いけれど、それだと少し軽すぎる。お前は毎日、花を切って暮らしてるんやから、これくらい重いのをつけといた方が良い、って。こうして7年身につけていると、この重さが『なくてはならないもの』になっている。今ではこのアクセサリーが、私のお守りのようなものですね」

本業に欠かせない鋏ですら、なくしてしまうことがあるという片桐さん。ところが、このアクセサリーだけは、一度たりとも、なくしたことがない。花を切るのは命を絶つということに等しい。その重みをどこかで感じていたい、そんな気持ちがあるのかもしれない。

「実際、花と向き合っていると『生きている!』という存在感を、強烈に感じることが多いですね。同じ生きているといっても、叫び声を上げて主張するような花もあれば、けなげに、ひたむきに咲いている花もある。どんな花でもおろそかにはできません」

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プロフィール

主水書房

華道家:片桐功敦(かたぎり・あつのぶ)

1973年、堺市生まれ。花道みささぎ流の家系に育つ。中学卒業後、米国留学。現地で大学に進学するが、1994年帰国。1997年、24歳という異例の若さで家元を襲名。2001年、弘川寺(ひろかわでら)で初個展。2005年、教室とコラボレート・スペースを兼ねた主水書房を開設、2007年、BIWAKOビエンナーレ出品。2008年、写真集『見送り/言葉』を刊行。画家でデザイナーの東學の個展に参加するなど、異分野とのコラボ多数。

作品

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クリエーター・ファイル

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