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クリエイター・ファイル15“「ブルーマン」を見出した演劇プロデューサー”出口最一

ニューヨークは肌にあっている。関西人は多いし、本音で話し合えるし(笑)。

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アジアでは史上初のトライアウト公演!!その男が選んだ場所は、大阪だった。

出口さんが総合プロデューサーを務めるブロードウェイ・ミュージカル・レビュー「トリップ・オブ・ラブ」が、この春大阪にやって来る。トライアウト公演とは、ブロードウェイで上演する前の作品を、観客の反応を見るために他の場所で先に上演すること。アジア史上初となるトライアウト公演の記念すべき場所に、大阪が選ばれたことは関西のクリエーティブシーンを盛り上げていきたい私たちにとっても、うれしいニュースだ。

「大阪には厳しさがあるんです。味にうるさいし、本音の付き合いをする文化がありますから。そういう意味ではNYに近いんですよ。東京で成功したからと言ってNYで成功するとは限らないけれど、厳しい大阪で認められれば、NYでもまず大丈夫だろうと(笑)。それにもともと大阪はレビューの街なんです。宝塚が東京進出して東宝が生まれたし、松竹だって歌舞伎だって、芸能のルーツはみんな関西なんですよ。そんな大阪から、新しい伝説が生まれるような公演をしたいと思っています」

出口さんには、現状のミュージカル・レビューに対する不満があった。レビューというのは、日本で言えば「宝塚歌劇団」のように、歌や踊りやコスチュームで華やかな世界を創り上げていく舞台。ところが、最近のレビューはあまりにも芝居的だったり、オペラチックになってしまっているものばかり。次にやるべき挑戦が、みつかった。

「この作品には『レビューへの回帰』というメッセージを込めています。もともとレビューというものは、『わぁすごい!』とか『あの衣装キレイね!』というように瞬間瞬間でお客さんを楽しませていくものなんですね。きらびやかなコスチュームをつけた役者が出てきて、唄って、踊って、それに見とれている内に、また新しいコスチュームが出てきて…、本当に一瞬一瞬に感動があり、観終わったあとに『あ〜、楽しかった!』と心の底から言ってもらえる舞台。そんなエンターテイメントの原点にかえった、ミュージカル誕生初期のレビュースタイルをめざしているんです」

60年代のヒットソングとダンスとファッションをちりばめた、豪華絢爛なミュージカル・レビュー。作品について語る出口さんにも熱が入る。ステージへの期待は、否が応にも膨らんでしまう。

「60年代をテーマにしたのは、この時代が『変革の10年』だからです。保守的な50年代と、若者がなんでも自由にするようになったヒッピーブームの70年代にはさまれた10年間。その間に、女性解放運動、黒人の解放運動、ベトナム戦争の徴兵、冷戦、学生運動、アポロ11号の月面着陸など、ものすごい価値観の変化があらゆるところで起こりました。『ラブ&ピース』という言葉が生まれ、愛と平和を訴えてきた10年間でもあって、その時代に満ちていたエネルギーというものは、今考えるとすごいものだったなあと思うんです。そういうエネルギーを、この作品を通して今の時代を生きる人たちにもう一度与えたいのです」

Text : Hatsuaki Nishibayashi

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プロフィール

マックエンターテイメント代表

演劇プロデューサー:出口最一(でぐち・まこと)

1959年、奈良県生まれ。学生時代から演劇部に所属し、京都外国語大学卒業後、上京。「劇団四季」にて俳優活動。1987年ニューヨークに渡り、演劇プロデューサーの道へ。1991年「ブルーマングループ」のオフ・ブロードウェイ・ショーを制作し、ドラマデスク賞を受賞。以来17年間、「プルーマングループ」のパフォーマンスは世界中で絶賛を浴びている。2007年12月から日本でも公演。現在、新作ブロードウェイ・ミュージカル・レビュー「トリップ・オブ・ラブ」の総合プロデューサーとしても活躍中。

作品

※クリックすると大きな画像をご覧いただけます。

  • 作品1
  • 作品2
  • 作品3
  • 作品4
  • 作品5
  • 作品6
  • 作品7
  • 作品8
  • 作品9
  • 作品10
  • 作品11
  • 作品12

CREATOR WORKS 写真提供:The Dancebeat L.P.

クリエイターズ・チョイス

NY暮らしの相棒たち。 クリエイターズ・チョイス15「ブリキ・セッシュー・飲み仲間」