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クリエーター・ファイル6“誰でもない誰かを想う 美術作家”中村ケンゴ

「主人公じゃない「自分以外」は自分のことでもある。」

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みんなが知ってるからこそ使ってアートにする意味がある。

転機は、おもちゃのパッケージのイラストをサンプリングして作品を作った時に訪れた。「その時、自分の内面を使うんじゃなくて、外の世界のものを使って描くということが初めてできて、それでやっとふっきれた」スタイルの確立という言い方は、少し違うと言う。「そういう方法論が、自分の作品をつくることができるきっかけになった、ということ」
また、こうも言う。「よく文学にしても美術にしても、作品というものは自分の内面を表すものだって言うでしょ。そんなことを僕は正直信じてなくて、むしろ外的な要因のほうが、より良いクリエイションをつくると思う」今の作品に手塚治虫氏の無名キャラクターを使ったのは、手塚治虫氏だからこそ成立し得た。その他の作品もすべてそういった周知のモチーフが使われている。「いかに僕らがそういう過去の財産の上に立ったクリエーションをしてるか、っていうこと。だから著作権をあまりにも強く訴えるっていうのは、おかしいんじゃないかって話です。やっぱり先人のいいクリエイションがあってこその今のクリエイションだから」。
“著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(※)”の、中村さんは発起人のひとりだ。欧米では、保護期間は著作者の死後70年、日本は50年。欧米に合わせて延長すべき、という動きがあるのだ。「ものを作る時に、著作権について意識はしますが、そういうことを考えて萎縮したりするのは、本当にばかばかしいこと」例えば名作といわれる純文学を、現代風にアニメ化して広く普及できることもある。有意義な流用さえも法で制限してしまうことになりかねないのだ。音楽や、落語のような伝統芸能も同じだろう。この議論はまだまだ続いている。

作品づくりそのものについて訊ねると「基本的な達成感というのはあんまりなくて、むしろ余計わからなくなるっていうことの方が多いかもしれない。なんでこういうことを僕は作ったんだろうっていうことの方が多いかもしれない」新たな疑問が湧くという感じなのだろうか。「疑問ではなく。疑問がはっきりわかっていれば問題ないんですけど、何が疑問なんだかもよくわからない」

中村さんの次の新作は、あと数ヶ月で世に出る。「今新しく作ってるのは、コンセプトは同じなんですけど、画風がちょっと変わってるんです。最近すごくモネが好きで、昨年発表した作品もモネの画集を隣に置いて描きました。作品のコンセプトとは別の次元で、モネの色彩から多くのインスピレーションを得ました」今年中に、同じギャラリーで個展が開催される予定。今、制作のまっただ中ということだ。

Text : Kotoha Hirano

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プロフィール

美術作家・現代アーティスト

中村ケンゴ(なかむら・けんご)

美術作家。1969年生まれ。多摩美術大学大学院修了。ワンルームマンションの間取り図をモンドリアンのように描く"COMPOSITION TOKYO"や、漫画の吹き出しを文様化したり擬人化した"SPEECH BALLOON"シリーズなど、日本画の技法を使いながらもポップな表現で描かれた絵画作品を制作。2006年は、アートフロントギャラリー(代官山)、Gallery360 °(青山)、横浜美術館『日本×画展(にほんガテン!)しょく発する6人』に出品。ワークショップやファッションブランドとのコラボレーションのほか、アートディレクターとしても活動。2007年4月には、COEARTと共同でオリジナルTシャツを制作。ご自身の作品をモチーフにしたデザインが好評だ。

中村ケンゴ×COEARTオリジナルTシャツ

ARTinDOJIMA/OSAKA2007

作品

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  • 作品5
  • 作品6
  • 作品7
  • 作品8
  • 作品9

クリエーターズ・チョイス

憧れのアーティストとつながりたいと願った学生時代。 クリエーターズ・チョイス6「在りし日の想いを運ぶオリジナルグッズ。」