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クリエイター・ファイル5“あるがまま、を愛する写真家”小沢愛子

「女じゃないと撮れない写真てなんやろ、って考えた。」

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先輩の一言で撮った女の下着心。

モノクロのページの中、美しい女性たちが笑い、泣き、佇み、踊っている。全員が下着姿だ。無垢にも見え、妖艶にも見え、時には少年のような表情を見せる女性たち。そこにエロチシズムは見当たらない。多様で複雑で繊細な女性たち、それがすべてである。女流写真家、小沢愛子さんの作品は、余計なことを語らない。

『女の下着心』より「女じゃなきゃ撮れない写真、撮ってみたら?」カメラマンの大先輩の言葉がきっかけだった。「それまでは、男だから女だから、と意識したことなくて、そこで、はたと立ち止まって」考えたという。これが『女の下着心』(1991)と題される連作写真集の始まりだ。「ヌードじゃなくて、なぜか下着だったんですよ。女同士で下着で向かい合うっていうのが、男と女で向かい合うのとはちがうなと思って」。

実際に撮り始めると、美しい下着に夢中になったという。当時は撮影用の下着を自前で揃えた。一枚10万円するシルクの下着も使ったという。自分では身に着けることなど到底叶わない美しい下着ばかり。20代前半の女性の初々しい感動が話から伺える。「その時(一作目)は下着しか見れてなかった。レースが、すごく凝ってるんですよ。シンプルで、凝ってる。そこに、すごく素敵なおっぱいが入ってる。完全に女の憧れだったと思う!」。純粋に美しいものへの賛美が、小沢さんの絵づくりのずっと以前にあるのだ。なめらかな肌と繊細な布が触れ合う境界や、優しい曲線だけで作られた、しなやかな体。女性の美しさをあまねく表現するには、下着という演出がもっとも効果的なのかもしれない。そう思わせる力が、小沢さんの作品には、瑞々しくあふれている。

小沢さん連作の第一作目と三作目との違いを伺うと、ぜんぜん別物だと言い切る。「だんだん、今度はその下着をつけてる“女”に興味が出てきて。下着が、いかにその人を表現しているかっていうのが、ものすごく分かるようになったんです」。人間への探求心と言おうか、この心境の変化が二作目、三作目へとつながるわけだ。


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プロフィール

小沢愛子写真事務所:フォトグラファー

小沢愛子(おざわ・あいこ)

JAMとは数年前、下着メーカーのカタログの撮影をお願いしたところからお付き合いが始まった。女性の下着姿を作品として10年近く撮り続けた女流写真家。東京日本橋生まれ。大阪市立工芸高等学校写真家卒業後、(株)ヤラカス館写真課を経てフリーに。1964年 APA賞(日本広告写真家協会)特選を受賞し、結婚、出産、離婚を経験しながら大阪写真専門学校の講師を勤める。講師時代の15年間はカメラマン活動を一時休止。1984年、子供の大学入学を機に(株)オークプロダクション設立に参加。主にコマーシャル関係の写真を中心に活動を再開。1991年『AIKO OZAWA 女の下着心』、1993年 『AIKO OZAWA 女の下着心?』を出版、1994年 小沢愛子写真事務所を設立する。その後1997年 『MONOLOGUE』を出版しシリーズ3部作となる。2001年 『下着で写真を撮りませんか』がAPA賞経済産業大臣賞を受賞。

作品

※クリックすると大きな画像をご覧いただけます。

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  • 作品3
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  • 作品11
  • 作品12

クリエイターズ・チョイス

二度と同じ模様は現れない。だから万華鏡が好き。 クリエイターズ・チョイス5「一期一会を慈しむ万華鏡」