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クリエイター・ファイル4“現実に感応する写真師”森善之

「現実のリアルさを伝えたい。自分の感動といっしょに」

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自分がうわーっと思う写真を撮っている。そういう気持ちが見る人に伝わったらいいなと思う。

森さんのご自宅は、こぢんまりとした路地の突き当たりだった。
飄々とした立ち姿に、涼やかな目もと。
くわえ煙草で現れた。「遠いところ、すいません」。
気さくな、というにはあたたか過ぎるし、人懐こい、というほど慣れ慣れしくない。森さんと私たちの間に風がふわりと吹くような、不思議な距離感のある人だった。森善之さん、プロカメラマン。

木陰の写真私の周りには森さんのファンが多く、今回の取材も彼らの熱烈な支持のもと、森さんのご協力を賜ることができ、鼻息も荒くご自宅へ伺った次第だ。森さんの作品について森ファンは「空気感」がいいという。被写体をとりまく空気が薄く感じられ、実物よりも実物らしいんじゃないかと思わされるのだ。

森さんが写真と出会ったのは、20歳の頃。高校卒業後、就職するが、将来を模索する日々だったという。そんな頃「親戚のおっちゃん」が、写真学校の話を持ってくる。「なかなか写真ておもろいみたいやでー、て。あかんかったらやめたらええし!て」軽快なおじさんだ。「そんなんですわ」さらりと言う。当時の大阪写真専門学校に入学。そこでご本人曰く「完全に先生たちにそそのかされて」自分の可能性を信じ始める。卒業制作のため船で釜山港に渡り、そのとき撮ったフィルムを現像して、とてつもない衝撃を受ける。「自分が見てきたことが、そのまま、写ってるじゃないですか!!」。その時の感動がきっかけで、森さんの気持ちは写真家へと大きく傾くことになる。意気高き森青年、22歳の冬のことだった。

森さんの横顔森さんその人をさかのぼる時、おもしろいのは、そのスマートさだ。まるで川の流れに身を任せるような、スマートな決断と転身。「自分にできることは、限られてると思うし、器用に何でもできるわけじゃない。自分にできることを、考えるしかない」。道はおのずと開かれるということか。

専門学校を卒業後、アルバイトを経てスタジオマンに。先のことなど考えず、新しい技術や知識を吸収することに夢中だった。結婚をして大阪宣伝研究所に入社。3年後、独立する。旅に出て作品をつくるスタイルは、独立後、確立される。

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プロフィール

森善之写真事務所:フォトグラファー

森善之(もり・よしゆき)

1960年、神戸生まれ。大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ)卒業。(株)大阪宣伝研究所写真部を経て、1991年森善之写真事務所を設立。雑誌『旅学』などにより、旅して撮る写真家として知られる。和楽をはじめ出版関係の撮影多数。京都在住。
韓人像(オリンパスギャラリー/新宿)、新鋭展 98参加(奈良市写真美術館)、CYCLE & CIRCLE(MOLE/東京)(DOT/京都)、PRINTS 銀粒子の誘惑 参加(ギャラリーヒルゲート/京都)、まほろ(La chambre claire/パリ)、三部作(WALL/東京)(アルテリブレ/大阪)、アートイベント「PROJECT 629」参加(海岸通ギャラリー・CASO/大阪)

作品

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クリエイターズ・チョイス

昔の人の思いが残る道具や手仕事で作られたものが好き。 クリエイターズ・チョイス4「昔の人の思いが伝わるもの」