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京都精華大学:芸術学部 卒業・終了制作展'07

京都にある美術系大学のいいところは卒業制作展を京都市美術館という由緒ある場所で行えるところにある。この美術館は京都の中でも東山の北に位置して隣には動物園、前には国立近代美術館、北には平安神宮という立地。美大生にとっては在学中に何度もふたつの美術館へ足を運び、動物園ではスケッチにあけくれる、そういう場所。実は筆者もそんな学生時代を過ごした一人だった。ピカソやレンブラント、東山魁夷など歴史的な芸術家と同じ舞台で作品を展示できる、卒業制作展はまさに晴れ舞台だ。

精華大学は広大な京都市美術館の1Fの半分と2F全部を使っての卒展だったのでかなり規模が大きい。学科は12に及ぶ。受付から入ると2Fまで吹き抜けになった一番広い部屋を、陶芸と立体造形の作品が占めている。運ぶだけでも大変そうな巨大な石彫作品も、ここではそれほど大きさを感じない。隣の部屋には全国的にも珍しい漫画の学科、ストーリーマンガ学科が作品を連ねる。こうやって美術館でマンガを見ると日本のマンガはとてもテンションの高いアートなんだと実感する。映像の部屋では好きなDVDジャケットを選んで係の学生さんに渡すと専用のプレーヤーで見せてもらえるという展示の工夫をしていた。専用の上映スペースを設けている作品もあり、独特の世界感を見せていた。うん、未来の塚本晋也や三谷幸喜が出てきそうだ。

2Fでは日本画、テキスタイルでは伝統的手法と新しい表現を目指す作品が交錯する。その間に回廊のように設けられたプロダクトコミュニケーションデザインの展示ではとても質の高い作品が多く見られた。ここだけが撮影禁止になっていたのはそのアイデアがそのまま商品作りのアイデアになり得るからその流出を恐れているのだろう。その価値は十分にあるものもあった。攻撃的な作品も多い卒展の中でカートゥーンマンガでは絵本的作品が多く癒しを与えてくれる。そして版画、洋画と巡り最後にビジュアルコミュニケーションデザインの部屋にたどり着いたときには、もう予定時間をずいぶん過ぎていた。

あらためて卒展というものを見てみるとその多種多様性に見応えを感じた。学生たちの情熱が懸命に作品を世に送り出そうとしている。そういった熱気を感じられる、精華大学のそれは「これこそ卒展!」といえる展示会だった。

Text & Photo : Koji Yamamoto

学校名
デジタルハリウッド
卒展名
クリエイターズオーディションVol.29
期間
2008年1月20日
会場
大阪府大阪市北区西天満6-5-17 デジタルエイトビル1階