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2007年11月02日のエントリー

BIWAKOビエンナーレで近江八幡散策のススメ

近江八幡市といえば水の郷百選にも選ばれている水郷である。

中世より近江商人らの活躍を支えた八幡堀の風景は、観光案内や時代劇の中でもおなじみだろう。近江商人のふるさとなどといわれる近江八幡周辺は、安土桃山時代に発達した商業都市である。今も古い商家や町家が並び、江戸期以前の風情を色濃く残している。実は、そんな古色を帯びた町並みとは一見相容れないようなアートイベントが3年に1度開催されている。

BIWAKOビエンナーレ──現代アートの祭典である。

面白そうなものに目がない我らがClippin JAM編集部は、早速事務局に取材を申し入れた。盛り沢山なイベントレポートがまもなく公開予定なので、あんな凄いアート作品やこんな不思議なアート作品についてここに書くことは控える。とにかく個性的な芸術祭なので、レポートを読んで興味を持たれた方は是非足を運んで欲しいと思う。というわけで、ここでは取材中気になった周辺情報をいくつか簡単に書き留めておく。

【 八幡堀 】
地元の人々による保存修景運動がよみがえらせた景観は、中世以降物流の要諦たる水運をこの堀が担っていた頃の城下町の風情を思わせる。非日常への入り口といってもいい。石積みと古い木造家屋に囲まれた河岸をゆるゆると歩くだけで、無粋な日常風景から離れ、穏やかな郷愁に満たされていくのを感じることができる。風が吹くたびに小波が立ち、岸に寄った遊覧船が静かに揺れる。水面をすべる数羽の鴨を眺めているだけでも飽きることがない。ことに川面に夕景の映える日没前の情景は感動的だ。

八幡堀を泳ぐ鴨

【 日牟禮八幡宮 】
八幡宮といえば応神天皇である。日牟禮八幡宮の祭神を見ると誉田別尊、息長足姫尊、比賣神とあるけれど、誉田別尊というのがつまり応神天皇のことである。八幡伝統的建造物群保存地区の一角を成す境内は覆うような樹々に囲まれ古色蒼然たる風情に満ちている。左義長祭など賑やかな祭事が有名だけれど、時には心を落ち着けて平時のしじまに浸ってみるのも悪くない。ただし、花より団子のスイーツ好きには桜門の外「たねや近江八幡日牟禮ヴィレッジ」の方が気になるところかもしれない。

日牟禮八幡宮桜門

【 CAFE YAMAYA 】
ランチをどうするか。近江といえば牛だろう。せっかくゆるりと遊びにきたのだから、お昼だって豪勢に楽しみたいという方は「まるたけ 近江西川」など作品展示を回りながら立ち寄るにはうってつけの高級店である。けれども、ランチくらいはもっと気軽に済ませたいというニーズだってあるはずだ。それならCAFE YAMAYAで近江牛の牛丼なんてどうだろう。近江牛のカレーもある。どちらも800円でお肉たっぷりというハイコストパフォーマンスぶり。プラス200円で好きなドリンクをセットにできるのもいい。

ネオンサイン

【 CLUB HARIE日牟禮館 】
行動範囲が大阪寄りの人なら梅田は阪神百貨店地下の行列を一度は目にしているはずだ。いか焼きの方ではない。バームクーヘンである。「たねや近江八幡日牟禮ヴィレッジ」にあるCLUB HARIEはその本店ということになる。近江八幡で創業した菓子舗「たねや」の洋菓子部門で、ここでしか買えない限定商品もある。店の奥はカフェになっていて、作りたての洋菓子が楽しめる。取材後、スタッフ一同焼きたてバームクーヘンを食そうと立ち寄るも売り切れで叶わず。…嗚呼、無念!行かれる際はお早めにどうぞ。

CLUB HARIE日牟禮館エントランス

【 乃利松食品 吉井商店 】
お土産物に迷ったら、話の種に近江名物赤こんにゃくはどうだろう。知らない人には結構なインパクトだと思う。味が特別なわけではない。ただただ赤い。鮪の赤身かというような鮮やかな赤である。左義長祭で山車のようなものに飾られる赤紙が由来だとか、派手好みの信長が染めさせたんだとか諸説あり、その来歴ははっきりしない。赤の正体は三二酸化鉄。ベンガラといった方がなじみがあるかもしれない。近江八幡ではどこででも手に入る赤こんにゃくだけれど、せっかくなら創業明治24年の老舗で買ってみては。

近江八幡というのは町自体を楽しむ場所だろう。そぞろ歩くことが目的といってもいい。ここで紹介した店以外にも自分の足で見付ける楽しみはまだまだいくらでも残されている。BIWAKOビエンナーレはそんなそぞろ歩きにアートという華を添えている。風土をテーマとすることで近江八幡観光の一部としてうまく溶け込んでいるともいえるし、アート目的の人たちにうまく近江八幡をプレゼンテーションしているともいえる。少なくとも、現代アートを効率的に鑑賞して回るという種類のイベントではない。楽しもうと思えばどんな楽しみ方もできる。難しく考えることも身構えて見る必要もない。

やっぱり相当にユニークなアートイベントだと思う。

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